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八方尾根:夏と冬、異なるものと共通するもの

2月5日に行って来た八方尾根テレマークバックカントリー
で自然について考えたこと。

120214happounatu4.jpg

八方池山荘手前より撮影。
すでに多くのバックカントリースキーヤーが尾根を登り始めていることが見える。




こちらは07年7月29日の撮影。

120214happounatu7.jpg



八方尾根周辺は積雪期、一面のオープンバーンとなるが、

夏に来ても高木がないことが分かる。
標高1800m、本来であればオオシラビソやダケカンバなど亜高山帯の樹林帯の植生である。



夏であれば、リフト終点の八方池山荘から八方池周辺までは
樹木がなく、その先唐松岳方面へさらに登るとダケカンバ樹林帯となる。


本来の森林限界とは逆にこの尾根の中腹では
下に高山帯、上に亜高山帯の植生が見られる。


つまり「植生の逆転現象」が起きている。



その理由は「蛇紋岩」だ。


大変古い地層で、超塩基性岩のため、植物にとって有害で、
植生が侵入しにくく、森林限界は低くなる傾向にある。


以下の地質図を見ると分かりやすい。


参考サイト:地質(白馬・八方尾根オフィシャル サイト)





そして、その場所では地質に適応した特殊な植物が見られる。



120214happounatu3.jpg

ハッポウタカネセンブリ(リンドウ科)

八方尾根の蛇紋岩地でのみ見られる。タカネセンブリより花も小さめ。
背景に写り込んでいるのが蛇紋岩だ。





120214happounatu2.jpg


ハッポウウスユキソウ(キク科)

八方尾根の蛇紋岩地でのみ見られる。葉は細く斜め上向き。




こちらは冬時期ならでは。八方池北面に下った尾根から見上げた写真だ。

120206hakuba12.jpg

画面右上のあたりに八方池がある。
八方池から滑り下りてきた。



前途の地質図では丁度、蛇紋岩地との境界あたりになるのだろうか。


画面右側の尾根は樹林帯となっていて、
おそらくこの部分は蛇紋岩の成分が弱まっているのかもしれない。



こちらは春の時期に、猿倉への途中、松川の二股付近から見上げた
八方尾根の北面と尾根。

120214happounatu5.jpg


蛇紋岩の作用が強い場所では樹林帯が発達せず、
亜高山帯の植生が下まで続いている。




その場所で見られたのがこの植物。

120214happounatu6.jpg


ミヤマナガハシスミレ(スミレ科)

やはり蛇紋岩の岩肌がむき出しになっていて、
同じ場所ではミヤマアズマギクも見られた。






八方尾根は蛇紋岩という特殊な地質のたまものだ。


そこで春から夏にかけて、特殊な高山植物を、
ほんの少しの登りで間近で観察して楽しむことが出来る。


冬の積雪期、今度は北極からの季節風と、
樹木が生えにくい特殊な地質が、スケールの大きいオープンバーンを作りだし、
世界有数のパウダー滑降エリアとなっている。




夏も冬も私たちは、地球の歴史が作り出した
大自然の恵みで楽しませてもらっている。(感謝)


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テーマ:生物学、生態学 - ジャンル:学問・文化・芸術

09 : 56 : 36 | 植物 | トラックバック(0) | コメント(2) | page top↑
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コメント
蛇紋岩
こんにちは~

逆転現象は興味深いですね。古代の造山運動が関係しているのでしょうね。

尾瀬の至仏山は山全体が蛇紋岩だそうで、一般的な森林限界よりとても低いです。特に山の鼻側では標高1600mくらいで森林限界となっていてここから珍しい高山植物のオンパレードで登りは辛いですが花の撮影がとても楽しいルートです。オゼソウ、ホソバヒナウスユキソウ、ジョウエツキバナノコマノツメ、シブツアサツキ、カトウハコベなどなど、花好きには楽園です(^-^) 雪解けが待ち遠しいです~




by: てばまる * 2012/02/15 11:21 * URL [ 編集] | page top↑
Re:
こんにちは~
コメントありがとうございます~。

至仏山、kazも好きですよ~。時が経つのを忘れますね。

春の残雪の時期にも2回ほどスキーで滑ったことがあります。

山の鼻側ももっと植生回復が進めば嬉しいんですけどね~。
by: kaz * 2012/02/15 11:56 * URL [ 編集] | page top↑

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