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環境省絶滅危惧種検索

このところ微妙に忙しく、こもって仕事の毎日が続き、更新もやや滞り気味です。

本日も3連休初日だというのに、仕事の打ち合わせで午後から都内。その準備で午前中は写真選定、原稿書きの続き。

『花の百名山』『新・花の百名山』に登場する植物で絶滅危惧種を調べました。

実は昨年8月に、環境省版レッドリスト(絶滅のおそれのある野生生物の種のリスト)のうち植物Ⅰ(維管束植物)が1997年の策定以来、初めて見直され発表されました。

レッドリストとは日本に生育する野生生物について、生物学的観点から個々の種の絶滅の危険度を評価し、絶滅のおそれのある種を選定し、リストにまとめたものであり、この10年の間に広く認知されてきました。

ちなみに日本に自生する野生植物のうち25%にあたる1690種が絶滅危惧種となっています。

レッドリストはレッドデータブックとして市販されているほか、インターネットで環境省生物多様性センターHPである、絶滅危惧種検索からも調べることが出来ます。KAZは仕事柄こちらでよく調べます。

ところが、KAZが昨年の『山と渓谷』10月号に1ページカラーで詳細をまとめた際、環境省に問い合わせた際

「今後このレッドリストを元にした環境省版レッドデータブック改訂版を刊行する予定はなく、新しく加わった種のみ付属説明資料を作成する予定とのこと。また絶滅危惧種検索に関しては年末までに新しいカテゴリーの対応をしたい」

とのこと。しかも1月12日現在、依然旧カテゴリーのままのようでした。

となると検索で調べられないため28ページにも及ぶ発表資料の一覧表から探すしかなく、非効率なため大変な作業となりました。


小さい省で予算も限られているとはいえ、8月3日の発表から5ヶ月以上。やや対応が遅すぎるような気がしますね~。

種の多様性を守るための基本資料となる絶滅危惧種の検索なのですから、国民への絶滅危惧種の意識づけ、理解のためにも速急な対応を望みたいところです。

問い合わせたときも「市民の皆様の要望の声が大きければ大きいほど対応に迫られることになりそうですが...」とのこと。

KAZも絶滅危惧種検索など含めて要望を書いて送りましたが、絶滅危惧種、希少植物保護に関心のある皆様、環境省に要望文を書いて送るのもいいかと思います。

080112タカネマンテマ



080112ユウバリソウ


タカネマンテマとユウバリソウ。『花の百名山』『新・花の百名山』に登場する絶滅危惧ⅠA類の絶滅危惧種です。ともに8月にラックがアップしました。
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テーマ:生物学、生態学 - ジャンル:学問・文化・芸術

23 : 23 : 03 | 未分類 | トラックバック(0) | コメント(2) | page top↑
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コメント
今回の「レッドリスト見直し」については全く納得していません。
殆どの種で、ランクダウンしていますが、メッシュ数なのか、個体数なのかハッキリしません。
例えばランクの下がったチチブリンドウは最初のリスト発表時とメッシュ数(5メッシュ)に変化は無く、個体数は減少しています。
一方、ランクの変わらなかったヒメウラジロ(Ⅱ類)は群馬県だけでも推定10000個体以上が成育します。
調査員の高齢化等もあって、実際に自生地の調査をしたかの疑問が残ります。
「レッドリスト見直し」が発表されて直ぐ、環境省に電話しました。
環境省の見解は先生方の総意に基づいて決定したとの返事でした。
KAZさんのご指摘通り、新旧の比較表が無く、探し出すのに随分時間がかかります。
早急に新旧比較表を作成して欲しいものです。
ネットで検索してもランクは新旧入り乱れています。
by: 上州花狂い * 2008/01/14 11:28 * URL [ 編集] | page top↑
Re:
上州花狂いさん、こんにちは。

 限られた予算で人が調べる以上、いろいろ調査(文献、現地)が行き届かないことも多々あるのでしょうかね。
 それと、絶滅危惧種を発表しても、その次の段階の運用までなかなか進んでいないのも残念ですね。
 永田さんはKAZが構成役をした「山と渓谷」2007年3月号220ページに書いてある「絶滅危惧植物取材の最前線から」とのタイトル4ページ分で「絶滅危惧ⅠA類は栽培禁止に」と強調していました。
 そうやって法整備、施行のためどんどん活用されれば、様々な危険の要因を分析して、調査ももっと的確になるような気がします。
 
by: kaz * 2008/01/14 13:23 * URL [ 編集] | page top↑

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