現在、利尻山には鴛泊コースと沓形コースの2つがあり、
ほとんどの人は鴛泊コースの往復だろう。
上部が危険なため、地元の警察や宿泊施設も沓形コースを勧めていないという。
一方で「沓形コースの方が花が多い」との情報も耳にした。
2年前の7月20日に鴛泊コース往復で登っているが、今回沓形コースから登り、鴛泊コースを下山することにした。
ただし鴛泊で宿泊した宿はこの観光最盛期、沓形登山口の送迎はしていないとのこと。結局、レンタカーを登山口乗り捨てで借りることになった。沓形コース登山の場合、最初から沓形の街で宿泊するのが良いのかもしれない。
朝5時15分出発、ルートはあまり歩かれていないようだ。
石がごろごろと転がりスタスタと歩けないが、難儀するほどではない。
ルート沿いにはゴゼンタチバナがずっと咲いている。地味な木の花だがクロツリバナも多い。登る人が少ないためじっくりと静かに撮影できるのが良い。
朝露にしっとりとぬれたゴゼンタチバナ

9合目、三眺山までは樹林帯の登り。
三眺山まで登ると迫力ある利尻岳西壁が聳える。
この先が要注意箇所の一つで「背負子投げの難所」、足下がやや不安定だがロープがしっかりとつけられているので問題はない。

その先にはゴツゴツと迫力ある利尻山仙法師稜をバックに咲き始めていたリシリヒナゲシが印象的だった。

利尻山の固有種で絶滅危惧種である。山麓の街でも見られるが、
山中での自生の株は決して多くはない。
さらに登るとやはり利尻山に固有のボタンキンバイも咲いていた。
花の中心のしべの赤がおしゃれで、trollis(キンポウゲ科キンンバイソウ属)のなかでももっとも美しい種の一つだ。

チシマイワブキやキバナノコマノツメも咲いていた。

この先、斜面のトラバースの部分はこのコース最大の難所といわれている。シーズン始め雪渓が残っていると、落石や滑落の危険性が高いと思われる。

しかし今は雪渓も消え、足下の石はややもろく崩れやすいものの、注意して足を運べば問題なく通過できる。ロープもあるが必要はないほど。
要所ごとに今年つけられたばかりと思われる真新しい9mmクライミングロープが固定されていた。
この先急登をジグザグに登るとエゾノハクサンイチゲのお花畑となり、ほどなく鴛泊コースに合流した。

鴛泊コースに合流するととたんに登山者も増え、特にツアーらしきグループが多い。
深くえぐれた道、広がった登山道…。
登山者による登山道の荒廃は、沓形コースよりもむしろ鴛泊コースの方が激しかった。
沓形コースは想像以上に良いコースだった。
岩稜帯通過技術を含めた登山経験がある人にはお勧めしたい。
入門者でも単独を避け、経験者同行なら問題ないだろう。
撮影で立ち止まったりと時間もかかったが12時には山頂に着いた
。
山頂からは雲海が切れ青い海と礼文島が美しかった。
