前回のテーマである「アツモリソウ展」の件で長野県庁環境部自然保護課へ要望書を提出しました。
以下要約です。賛同された皆さん、「アツモリソウ展」に対して疑問を持たれている皆さんも長野県庁へ
要望書を送ってみてはいかがでしょうか。
多くの方々から意見があればきっと何かしらの前進があると思います。
このように自生で美しく咲く姿を取り戻すために...
※この場所からもホテイアツモリが姿を消してしまいました。
前略、
突然の要望書で失礼します。当方、山梨県甲府市に本部があり、希少高山植物の保護啓蒙で全国的に活動をしています日本高山植物保護協会の会員であり、「山と渓谷」「岳人」ナショナルジオグラフィック」など、山岳、自然科学系の媒体を中心に、撮影、執筆などを広く行うなど、写真家、ジャーナリストとして活動しています。
先日高山植物保護協会理事のN氏より、FAXがあり、千葉県に住んでいる知人より富士見町で行われている「全日本アツモリソウ展」についていろいろと疑問点や意見を述べた手紙をもらったとのことでした。
4年前、第1回目の時は私も、現地へ取材に行き、その記事を「山と渓谷」「岳人」誌などで発表しました。会場でホテイアツモリの株が販売されていたこと。自生地の保護を訴える展示がなく、全体的に園芸を煽る内容でした。
あれから4年たった訳ですが、昨年、訪ねたところ、まだ自生のホテイアツモリの株が生育しているのが新たに確認されて、町として厳重に保護管理するよう条例まで制定したとのこと。
それはそれで良いと思います。
しかし、こちらのイベント案内を見る限り、イベントの内容はそれほど変わっていないようにも思えます。
希少植物を保護するためのものとして現在、長野県では環境省版レッドリストのカテゴリーに準じた形で長野県版レッドデータブックを作成し、さらには「長野県希少野生動植物保護条例」という形で種を指定して保護を進めているのは広報資料などから理解しています。
しかしながら、その条例の運用として、例えば山梨県では「流通監視員制度」などを設けて、その株が合法的に仕入れたもので山採りのものではないか。特別指定希少野生動植物が許可なく流通されていないか?などを実際に、県の委嘱監視員が定期的に巡回して監視しています。
それによって、アツモリソウなど下界での増殖培養が難しく、山採り=自生地での盗掘につながりやすい種に関しては数字上でも明らかに流通量が減ってきたとのこと。本年度から県職員も監視に加わり、自生地は特別保護区とするなどさらに厳しい運用をするそうです。
長野県でもかつてアツモリソウが見られた山域で今、激減して絶滅寸前という自生地は多いと思います。かつての山岳関係の資料を読むと、登山道沿いでアツモリソウが見られたという報告が多くありますが、現在登山道脇でアツモリソウなど見る機会は皆無に近いのが現状です。
南アルプスのホテイアツモリは特に希少だと思います。広く県民、さらには長野県全体のイメージ、理解を深めるためにもこのような園芸的なイベントは中止して、本気で南アルプスのホテイアツモリの復活のために、もっと広く理解されやすい形での保護、啓蒙活動をされてはいかがでしょうか?
特に、希少植物保護の意識が高まっている現在では、首都圏を中心にこのような保護と相反する園芸的なイベントに対して疑問を持っている国民は多いと思いますので、それが富士見町や長野県のイメージを悪化させているようにも思えます。
アツモリソウなど希少植物は園芸的に売買するのではなく、あくまで自生地で国民の共有財産として楽しむものであると思いますが、10年後、20年後の将来まで希少植物保護のための、本質を捉えた、抜本的な政策を期待します。
以上、よろしくお願い申し上げます。