3日目は北岳山荘から山頂を経由して下山。
夜半から朝方にかけて降った雨も止んだ。
遠くに聳える富士山のグラデーション。

水墨画のような風景...。
下を向くとチングルマの果穂が水滴をまとい

草地をじっくりみるとサラサラと
風に小刻みに揺れる果穂の正体は...

絶滅危惧種のヒゲナガコメススキだった。

お花畑は盛夏の真っ直中、
紫色の色彩はキタダケトリカブトだった。

そしてすがすがしい夏空を惜しみつつ

山頂を後にした。
本日、今年初めて北岳へ。
天気も安定してそうで、小屋も混雑しがちなこの時期、
今回はトレーニングも兼ねてテント泊とした。
テント泊と言っても、テントやシュラフ、コンロ、食料など
軽量化が進んだ現在では、
全て合わせても重量増加は5kg程度だろう。
広河原から北岳山荘へ。
今年はこの時期にしては大樺沢の雪渓が多い。

ミヤマハナシノブはまさに見頃。

北岳には多いが、
北岳以外ではほとんど見かけないという絶滅危惧種。
八本場のコルから先にはタカネビランジも見頃。

稜線のハイマツ帯を歩いていると
突然地面を歩いて横切る鳥
そう、ライチョウだ。
母親に4羽のヒナ
ヒナはだいぶ大きくなったが、
鳴き声がガアガアではなく、ピヨピヨだからすぐ分かる。

7月始めだと、まだ小さいヒナを7羽くらい連れているが
9月になるとほとんど親と変わらない大きさで2羽くらい。
天敵のイヌワシに捕食されたりと淘汰される。
8月中旬で4羽ならば順調だろうか。
南アルプスではライチョウの数が減っていると言われている。
追い回したりするのは控えたい
さっと写真だけ登山道から撮り、テン場へと急いだ。
本日は朝日岳を越えて蓮華温泉まで。
本日も特に最後がアップダウンもあり、行程は長い。
天気は最初ガスだった。
ガスのなかのお花畑で露がたっぷりと付いたチングルマの花穂

朝日岳を越えて栂海新道分岐までは蛇紋岩地が続く。五輪の森までは雪田草原のトラバース。
次第に晴れてきて、五輪尾根からは雪倉岳と小蓮華山が見渡せた。

お花畑のなかに木道が続くが、傾斜した木道が滑りやすいのが難点だ。
ワタスゲの群生、キンコウカも咲いていた。

オオバキスミレ、蛇紋岩の影響か。茎が赤みを帯び、葉の光沢もありかなりナエバキスミレに近いように感じた。

途中の沢を渡る橋から見た岩壁にはホソバコオニユリか?ぶら下がって咲いていた。

最後蓮華温泉までは、標高差約350mの登り返しとなりしんどい。
そして蓮華温泉着。野天風呂はとても野趣溢れる。
山から下りた後の温泉ほど気持ちの良いものはない。

今回の山行で初めて見たシロバナミヤマシオガマ

本日は白馬岳から雪倉岳を越え朝日小屋まで。
予報に反して朝から曇りがちでパッとしない。
白馬岳山頂付近では雪解けが遅い斜面にウルップソウが咲いていた。

三国境を過ぎると、白馬岳周辺の賑わいから解放される。この先の縦走路は静かでじっくりと楽しめる。
その代わり途中に小屋もなく行程は長い。撮影の場合さらに時間がかかる。
雪倉岳までは蛇紋岩主体となり
赤茶け荒涼とした大地は独特の景観となる。

そこに生える植物はこのホソバツメクサを始め

ヒゲハリスゲ、クモマミミナグサ、ウメハタザオ、ミヤマムラサキなど少し珍しい種が多い。

クモマスミレも多かったが、残念ながら花はほぼ終わりだった。
雪倉岳を大きく下りきると樹林帯のなか雪田草原がでてくる。
雪解けが遅い雪田ではハクサンコザクラが満開。

ミズバショウやリュウキンカも咲いていた。

本日の山小屋、朝日小屋

女性が切り盛りしているというだけありこのようなサービスも

手作りの夕食もウマイ。食前酒がサービスで、器も安っぽくなく凝っている。山小屋の食事とは思えないほど。

食後は本を読みながらこのようなセルフサービスで一杯200円クッキー付きのコーヒーも

本日は北アルプスへ。
蓮華温泉から登り始め、白馬大池を経由し、白馬岳へ。
通常、北アルプスの縦走登山では自由気ままにできるテント泊が多いが、今回は5Dのバッテリー充電もあり、小屋泊とした。
白馬大池までは標高差900mの延々と登り。2002年以来、6年ぶりに歩いた。
途中このエリアには珍しいシラビソ林もある。
ミヤマチドリが咲いていたが、前回見たアリドウシランは見られず。

白馬大池に着くとチングルマやアオノツガザクラからなる雪田草原のお花畑となった。

ここから白馬岳までは標高500mの、なだらかな登りとなる。行き交う人も多くなる。
リンネソウ。北欧スウェーデンで分類学者のリンネが発見したという植物。

周北極要素の植物で、亜高山帯の針葉樹林帯(タイガ)やハイマツの林縁に見られる。
KAZもスウェーデンの白夜の地で見たことがある。
ここ雷鳥坂では群生が見られる。
稜線に咲いていたチシマギキョウ

山頂に近づくとガスが出てきたが、天気は安定し崩れることはなかった。
狙い通り気圧配置も安定している。
山頂ではブロッケン現象も見られた。

しばらく影と遊ぶ。
撮影に時間がかかり白馬山荘17時前着。
夕食後に見られた剣岳の夕景が印象的だった。

35mmフィルム+デジタル+レンズ+ストロボに加え、645版カメラ一式を入れたザックはかなりの重量になる。
ある程度以上の登山の場合、膝への負担を軽減する目的でトレッキングタイツを使用している。
以前はワコールのCWXを履いていたが、ノースフェイスからバイオテックスというトレッキングタイツが登場してからは、ずっとバイオテックスを愛用している。
膝回りのサポート性が良く、山歩きでの最中に岩角や木に引っかけた場合などでも、破けに対し強いからだ。
今年、これまでの夏用のクールマックスと、冬用のサーモスタット素材に加えて、夏用にメッシュタイプというモデルが出たので購入してみた。

履いた感じは、従来タイプより、着心地が自然な感じ(綿素材に近い感じか?)になり、蒸れにくくもなったようだ。
従来の化繊素材を肌に密着させた、あの独特の感じがなくなり、2泊3日の縦走山行で履きっぱなしでも気にならない程だった。
※7/30〜8/1で北アルプスでも使ってみて
ただし、肌合いが綿素材に近く感じる分、表面のスベスベ感は少なくなっている。
このことは、短パンと組み合わせる場合には問題ないが、丈の長い長い山用パンツのアンダーとして履く場合、素材の性質からこすれの抵抗が大きく、足運びにやや重さを感じそうだ。
特に女性の場合、この着こなし方をしている人が多いようなので注意が必要かもしれない。
価格は12600円と従来と同じ。
今後はこちらのメッシュタイプを中心に使いそうだ。

上は同時に購入したYUJI クライミング Tシャツ 6090円
縦走用よりは真夏の暑い中でのクライミング用の方が良いようでした。
現在、利尻山には鴛泊コースと沓形コースの2つがあり、
ほとんどの人は鴛泊コースの往復だろう。
上部が危険なため、地元の警察や宿泊施設も沓形コースを勧めていないという。
一方で「沓形コースの方が花が多い」との情報も耳にした。
2年前の7月20日に鴛泊コース往復で登っているが、今回沓形コースから登り、鴛泊コースを下山することにした。
ただし鴛泊で宿泊した宿はこの観光最盛期、沓形登山口の送迎はしていないとのこと。結局、レンタカーを登山口乗り捨てで借りることになった。沓形コース登山の場合、最初から沓形の街で宿泊するのが良いのかもしれない。
朝5時15分出発、ルートはあまり歩かれていないようだ。
石がごろごろと転がりスタスタと歩けないが、難儀するほどではない。
ルート沿いにはゴゼンタチバナがずっと咲いている。地味な木の花だがクロツリバナも多い。登る人が少ないためじっくりと静かに撮影できるのが良い。
朝露にしっとりとぬれたゴゼンタチバナ

9合目、三眺山までは樹林帯の登り。
三眺山まで登ると迫力ある利尻岳西壁が聳える。
この先が要注意箇所の一つで「背負子投げの難所」、足下がやや不安定だがロープがしっかりとつけられているので問題はない。

その先にはゴツゴツと迫力ある利尻山仙法師稜をバックに咲き始めていたリシリヒナゲシが印象的だった。

利尻山の固有種で絶滅危惧種である。山麓の街でも見られるが、
山中での自生の株は決して多くはない。
さらに登るとやはり利尻山に固有のボタンキンバイも咲いていた。
花の中心のしべの赤がおしゃれで、trollis(キンポウゲ科キンンバイソウ属)のなかでももっとも美しい種の一つだ。

チシマイワブキやキバナノコマノツメも咲いていた。

この先、斜面のトラバースの部分はこのコース最大の難所といわれている。シーズン始め雪渓が残っていると、落石や滑落の危険性が高いと思われる。

しかし今は雪渓も消え、足下の石はややもろく崩れやすいものの、注意して足を運べば問題なく通過できる。ロープもあるが必要はないほど。
要所ごとに今年つけられたばかりと思われる真新しい9mmクライミングロープが固定されていた。
この先急登をジグザグに登るとエゾノハクサンイチゲのお花畑となり、ほどなく鴛泊コースに合流した。

鴛泊コースに合流するととたんに登山者も増え、特にツアーらしきグループが多い。
深くえぐれた道、広がった登山道…。
登山者による登山道の荒廃は、沓形コースよりもむしろ鴛泊コースの方が激しかった。
沓形コースは想像以上に良いコースだった。
岩稜帯通過技術を含めた登山経験がある人にはお勧めしたい。
入門者でも単独を避け、経験者同行なら問題ないだろう。
撮影で立ち止まったりと時間もかかったが12時には山頂に着いた
。
山頂からは雲海が切れ青い海と礼文島が美しかった。

さて、富士山のゴミ清掃登山で登山中登山道から少し離れた7合目よりやや下の岩稜帯でこのような超年代物のゴミ(というより遺産か)を拾いました。

江戸時代の富士講までさかのぼるのでしょうか?
少し調べたところ、江戸時代、富士講では山頂ではお鉢から大内院(火口)に向かって賽銭を投げる習わしがあったようです。
それにしてもこちらのお金、江戸時代に割とメジャーな寛永通宝でもないようですし、正体と年代も不明です。
知っている方ご一報下されば幸いです。
知り合いの山岳スキーヤー、クライマーの新井裕己さん滑落死とのこと
http://dailynews.yahoo.co.jp/fc/domestic/mountain_accidents/?1209359665もう5年年くらい前でしょうか。当時、山岳雑誌「岳人」で連載記事「キャンパスレポート」というページを担当していたKAZは、いくつかのの高校、大学の山岳部や山岳系同好会を取材していたのですが、そのなかでズバ抜けて印象深かったのが東京大学スキー山岳部でした。
その取材を受けてくれたのが当時まだ学生だった、新井裕己さんでした。
部室に集まったのは6人くらいでしょうか。合宿がなく、各個人がやりたい活動を実践しているという斬新な活動スタイル。
7大陸最高峰を目指して活動しているY君のほか、クライミングに集中している人、山ボードに集中している部員など、衰退傾向にある一般的な山岳部とは明らかに違ってみな輝いて見えました。
そのなかで新井さんはクライミングと山スキーを追求していました。
大学を休学して外国へ渡った時の活動なども生き生きと語りかけてくれました。
確か東大の本郷キャンパスで夜取材にうかがい、あまりにスゴイ部だったので取材の予定時間を大幅に超え終電の時間も過ぎてしまい申し訳なかったと記憶しています。
あれから富士山や湯河原幕岩、モンベル社の展示会などでも会い話をしました。
院生だったときの宇宙植物学の研究、そしてそれをやめてこの道に進んだことなど。
最近は雑誌でも活躍しハードコアな道を進み、活躍振りを見ていただけに残念です。
心よりご冥福を祈ります。
なかなか山へ行けていない今年の冬ですが、連休には八ヶ岳のバリエーションルートで取材の話もあり、トレーニングがてら丹沢へ登りに行きました。
手軽な大倉尾根からの塔の岳、朝8時大倉出発。
登山口付近は積雪はありませんでしたが次第に雪が出てきます。

写真は撮りましたが、あまり休まず10時30分、塔ノ岳着。
雪は40cmほど積もっていましたが、トレースはしっかりとありました。ここからの富士山はなかなかなのですが、残念ながら本日は厚い雲のなか。

冬の色彩に乏しいイメージの丹沢ですが霧氷が印象的でした。

次に鍋割山稜へ大丸、小丸周辺はブナ林が残っています。

一昨日関東は平野部でも雪でしたが、この周辺も20〜30cmは降ったようです。登山道は稜線の凹地についていることが多く、吹きだまり地形となることが多いようです。先行トレースは5人くらいでしょうか。
吹きだまりをさけてついていた場所もありましたが、トレーニング目的からかKAZはラッセルがてら、そのほとんどで敢えて吹きだまりとなった登山道にトレースをつけていきました。一番深いところで腰あたりまで。
後に鍋割山荘の主人の草野さん曰く「吹きだまりでもしっかりと登山道につけてほしい。後に雪が溶け始めると周辺の土壌が流出するので」とのことでした。
鍋割山といえば名物鍋割山荘の鍋焼きうどんです。登山者の間ではこの山の定番メニューとなっています。

具だくさんで、アツアツ、美味い。980円。

他数人いた登山者も皆さん注文していました。
小屋で少し会話をして、後沢乗越経由で下山。
途中で早くももオニシバリの花が咲き始めていました。ジンチョウゲ科で夏に葉を落としますが、冬にはつけているという変わった性質があるのです。

大倉着15時40分。そこそこでしたね。
S出版社のTさん。湯川の氷柱にも誘われたのですが…今のKAZの仕事のスケジュールでは2日取るの厳しかったです。
今回は足腰トレーニング優先ということでご勘弁を。